ポートフォリオ全体にわたる責任投資フレームワークを、投資プロセスに組み込み。
ある欧州大手プライベートエクイティ・ファームは、ESG要素を投資プロセスに統合するためのフレームワーク構築をNPAに依頼しました。投資家からのデュー・ディリジェンス質問票(DDQ)におけるESG統合への要求が高まる中、同社はNPAと協働してオーダーメイドのアプローチを設計し、ESGの観点を従来の財務要素と並行して体系的に組み込むことで、投資のリスク/リターン特性をより包括的に把握することを目指していました。
加えて、市場の期待が高まる中、同PEファームは実装と方針を正式化し、各投資戦略に即したベストプラクティスとの整合を図ることを望んでいました。
NPAが設計し、社内実装を支援した4ステップの責任投資フレームワークと統合プロセス
- 01
除外(エクスクルージョン)
目的ファームの除外基準を精緻化し、その遵守を担保すること。
実装NPAはクライアントの除外リストの整理を支援し、何を除外するか(例:論争のある兵器、児童労働、たばこ)を定義し、除外閾値を設定しました。いかなる投資もこれらの基準に抵触していないことを、フレームワーク上で文書化できるようにしました。
- 02
ESGの現状把握
目的投資先企業がESG課題をどの程度認識・管理しているかを評価すること。
実装フレームワーク開発と並行して、NPAは同ファームの投資戦略について現状評価を実施し、ESGポリシー、経営層の関与、過去のマテリアリティ評価を分析しました。ギャップ分析を行い、ESG統合を強化すべき領域を特定しました。
- 03
ESG統合
目的財務パフォーマンスに影響を及ぼし得るESG課題を特定し、優先順位付けすること。
実装NPAが構築したフレームワークにより、クライアントはSASBマテリアリティ・マップを用い、地域・業種・製品に基づくマテリアリティ分析を実施できるようになりました。これにより、財務成果に影響を及ぼし得るESG要素の優先順位付けが可能となりました。
- 04
投資後モニタリング
目的ESGパフォーマンスを継続的に追跡するためのKPIを設定すること。
実装フレームワーク開発とその後の実装支援の一環として、NPAは事故報告や労働安全衛生方針など、年次でモニタリングする一貫したKPIの策定を支援し、ESGパフォーマンスの継続的な追跡を実現しました。
NPAは、同ファームが投資審査プロセスに組み込んだオーダーメイドのデュー・ディリジェンスおよび責任投資フレームワークを構築しました。この厳格かつ再現性の高いプロセスにより、同ファームは従来は把握できていなかったリスクの特定、投資家・ステークホルダー向けレポートの高度化、価値創造とアルファ獲得に資する新たな機会の発見を実現するとともに、社内オペレーションの効率化にもつながりました。NPAは現在も同フレームワークの運用を支援しており、投資前DDのレビュー、研修の実施、年次データ収集および報告のサポートを継続しています。この包括的なアプローチにより、投資判断と長期的なステークホルダー価値が大きく向上しました。
